No20「審判」

【マトカ】
いよいよ人生も終わりが近づいてきました。
歩んできた道のりを評価するときです。
生きている間にまとめておいたほうがいいでしょう。
自分の人生を振り返って、清算します。
死の準備をして、残された人たちが困らないようにします。


【キャラクター】
人生にとって大事なことは何であるかを学ぼうとして生まれてきた。
そのことを教えるような出来事に頻繁に会う。そのことで成長する。
なかには難しいこと、厳しいこともあるだろうが、しっかり取り組むこと。
精神的な会合で能力を発揮する。
何をしたいかがはっきりしないことが多いのは欠点となる。
やりたいことがあるのなら、こうしたい、と宣言するのが成功への最善策。
人を判断して裁く傾向あり。


【オラクル】
何がしたいのかはっきりさせてください。
まず欲しい方はどちらであるか気づきましょう。
本当にそれがしたいのですか?
もう一枚、カードを引いてください。
心を定めてください。
分からないときは、少し時間をおきましょう。
今考えていることと違うことが正解かもしれません。
人生にとって本当に大切なことに基づいて清算しましょう。


【セラピー】
心の声に耳を傾けてみましょう。
それはあなたの正直な声です。天使からの助言かもしれません。
自分の人生を振り返ってみましょう。
善良に心に合わせてみましょう。
宗教画を鑑賞して、そこに描かれている神聖さを味わってみましょう。
宗教的施設へ行ってみましょう。


【クエスト】
私は何を決めようとしていますか?
どうして選ぶことができないのでしょう?
人生にとって一番大切なことは何ですか?
いつもだったら考えないようなことはどんなことでしょう?
私は呼ばれていますか?それが使命ですか?


【コラム】
<審判~人生にとって大切なこと>
このカードは「審判」ですが、「永劫という意味のイーオン」と書いてあるカードもあります。
何が永劫なのでしょう?

「審判」というとキリスト教徒でなくとも「ミケランジェロの最後の審判」という壮大なシスティナ礼拝堂の天井画を想像する人も多いかもしれません。
「最後の審判」とは何でしょう?
もしかしたら地球上のあらゆる民族に共通する死にあたっての裁きの観念かもしれません。
日本でも「三途の川を渡る」と言います。そのとき、この世の欲ははぎ取られる、と聞いたことがありませんか?川には名刺やお金などが沈んでいるそうです。

「審判」を受けるとは、天国か地獄かの判決が下される、というのが分かりやすいかと思います。生きてきた人生への評価、です。
ミケランジェロの天井画でも、天国と思われるところへ昇っていくものと、地獄なのでしょうか、変わり果てた姿の人間が下っていったり鞭打たれたりしている様子が描かれています。

地獄というのは、子供たちが悪いことをしないための恐怖心を植え付ける躾のためにつくった、という人もいます。そういうこともあるでしょうが、地獄という死後の世界があるにせよないにせよ、善悪の区別を教えることは人間として必要なことだと思います。

このカードはまず、良いことと悪いことの区別をしっかり認識すること求めてきます。
そして、人生において一番大切なことは何ですか?何であったと思いますか?とまさに天国の門の前でかしこまっている死にゆく魂に尋ねるかのように、問いかけてきます。緊張する瞬間です。

私たちは、自分が大事にしていたこと、奪ってでも欲しいと思って手に入れたものが、実は虚しい、この天国の門を通るときには捨て去っていかなければならないものだったということを知ることになります。
自分が正しいと思っていたことが、実はそうではなかったと気づきます。
気づく人はまだ救われますが、なかには気づかない人もいるようです。

捨て去っていかなければならないものがある、と聞いて「死神」カードを思い浮かべた人もいるのではないでしょうか。
「死神」は霊界への案内人でもありますので、まさに切り捨てるべき古いもの、不必要なもの、のなかには「審判」のときに問われるヒントが隠されていたのかもしれません。
けれどもまだ、人生のあの段階では、大抵の人はそこまで精神的に成長していないはずですので、できていなくてもがっかりしないでください。

人生の旅路は魂の成長の旅です。劣化させるために生まれてきたのではないということは万人に共通の価値観ではないでしょうか。

人によっては人生の早い時期に「大事なこと」に気づきますが、人生のほとんどの時間を気づかずに過ごして審判のときを迎える人もいます。

人生は「旅路」なので「道」のあちらこちらで気づくための出来事が用意されています。
それは大小さまざまで、あまりにも過酷な経験もあれば、さほどでもないこともあります。
「神様は乗り越えられる試練しか与えない」という名言もありますが、人それぞれ持って生まれた心のパワーも違いますので、気づきの体験も様々だと思います。
ちなみに、聖書では
「あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます」
(コリントの信徒への手紙Ⅰ10章13節/新共同訳) 
と書かれているそうです。
神様は必ず助けてくださるようですね。

さて「人生で本当に一番大事なこと」とは何でしょう?
簡単に種明かしをしてしまいますと「目に見えないこと」です。
「愛」「勇気」「正義」「信頼」「思いやり」「優しさ」などなど。
お金や車やブランド品や立派な家や地位や肩書きや学歴ではなく。
今まで真実だと思っていたことがそうではなかったということ、錯覚のなかで生きていたのだということを、魂はどうしても気づかなければなりません。
それを「審判」のカードは強く迫ってきます。
そしてその審判の結果によって、次の人生が選ばれます。
ゆえに「永劫」なのでしょう。

この気づき、人生の清算をぜひとも生きている間にやってくださいね、とさらに「審判」は声をかけてきています。
これができた人は、そのあとの残りの時間を21番「宇宙」というカードとともに生きることができるのです。