ご訪問ありがとうございます。
ほぼ1年前の人生相談です。
この記事がとても気になっていて、いつか書きたいと思いつつ、わぁ、もう1年が過ぎ去ってしまいました。
2017年9月20日毎日新聞
相談者 17歳女性
回答者 ヤマザキマリ
相談抜粋。
ヤマザキマリ回答。
ヤマザキ自身、17歳でイタリアに留学した。イタリアから得たものも計り知れなく大きかったが、日本の大学に行かなかったことが実はコンプレックスだった、とも述べています。
この記事をを読んだとき、この相談者が私の占いセラピーにやってきたら、私はどう答えるかな、と、なんですかとても真剣に考えてしまったのを覚えています。
もちろん、「占い」ですから、持って生まれた性質や運勢といったものを読みます。
例えば、学者、研究者に向いているとか、海外に縁があるなどであれば、そのことを話すでしょう。
運勢の流れとして、留学するなら今年がいいのか、来年がいいのか、今年行くなら云々、といったような助言もするでしょう。
予言的な占いをする占い師なら、あなたは外国に行ったほうが成功するとか、日本にいたほうがいい、というような話をするかもしれません。
それから私の場合はタロットですので、タロットカードをひいてもらいます。
それによって、彼女の心の内側が見えてきます。
「大学受験から逃げたいのかもしれません。」と自分で言っていますので、それとどんぴしゃりのことをカードが言ってくるかもしれませんし、もしかしたら、不安の根拠はもっと別のところにあることに気づかされるかもしれません。
私がとても気になったのは
「イタリアに骨をうずめたい」
という彼女の発信です。
どうして「骨をうずめたい」のでしょうか?
日本が嫌いなのでしょうか?
それほどイタリアが大好きなのでしょうか?
それはなぜなのでしょうか?
すこし、「夢中」になっている、「熱狂」しているのかもしれません。
古代ローマが好きということですが、今のイタリアはローマ帝国ではありません。
「夢中」も「熱狂」も、人を突き動かして好きなことをしていくためには大事な心持ちです。
が、熱しやすく冷めやすい、ということもあります。
もうひとつ気になるのは
「大学受験から逃げたいのかもしれません。」
です。
私はイタリアの現在の大学教育事情は全く知りません。ルネサンス時代には、ヨーロッパのなかでは一番洗練された文化の地であり、大学教育だったと思いますが。
ヤマザキの助言にあるように、古代史研究はどこでもできます。日本の大学でも古代ローマを研究している学者はいるはずです。自分の研究したい内容を研究している教授や准教授を探して、その人の研究室がある大学を受験してみるのはどうでしょう?
留学はいつでもできますし、もし、日本の大学の研究では不満足であれば、あるいは、自らの研究が進んでそのままでは不満足になれば、そのときはきっと迷わずイタリアへ行くでしょう。
イタリアを肌で感じることは大事ですからね。
目標が定まれば、「大学受験から逃げ」てはいられなくなります。
それからイタリアでの「就職」を考えて、できるかどうか不安ということですが、
研究者ではなく、別の就職を考えているのでしょうか?
その辺りに、まだ漠然としている思いが反映されているように感じます。
研究したいのか、
イタリアに住みたいのか、
イタリアでしたい仕事があるのか、
によっても取り組み方は変わってくると思います。
私の知り合いに、
「何かいいことありゃしないかな」
と思ってウィーンに来たら、
運命の男性と知り合って、結婚して、ウィーンに住んでいる、という日本人女性がいます。
彼女とはウィーンで知り合ったので、日本で彼女が「なんかいいことないかなぁ」と思っていたその背景に、どんな出来事があったのかは存じあげておりませんが。
そんなこともありますから、何があるかは分かりません。
でも、あなたの場合は、そうじゃないですよね?
古代ローマ帝国の研究がしたいのですよね?
ほぼ1年前の人生相談です。
この記事がとても気になっていて、いつか書きたいと思いつつ、わぁ、もう1年が過ぎ去ってしまいました。
2017年9月20日毎日新聞
相談者 17歳女性
回答者 ヤマザキマリ
相談抜粋。
高校3年生。小さい頃から歴史好き。ローマ帝国を研究したく、日本の大学かイタリア留学か悩んでいる。
将来はイタリアに骨をうずめたいと思っています。
でも本当は大学受験から逃げたいのかもしれません。
イタリアで就職できなかったら?断固とした意志で研究できるか、すごく不安です。
ヤマザキマリ回答。
まずお伝えしたいのは、あなたの思い描いているイタリアと現実のイタリアには大きなギャップがあるということです。今は、現地に暮らすイタリア人ですら簡単に希望する仕事にはつけていません。
高学歴の友人の中にも失業者は数人いますし、深刻な移民問題も抱え、外国人を悠長に受け入れられる状況にはありません。
次に知ってほしいのは、学術の分野に携わる多くのイタリア人が、自国の教育のクオリティに納得できず米国や欧州の別の国へ拠点を移すことが当たり前になっている現状です。(略)
古代史を学ぶのなら、イタリア以外の国でも優れた教育は得られるということも考慮してください。
ヤマザキ自身、17歳でイタリアに留学した。イタリアから得たものも計り知れなく大きかったが、日本の大学に行かなかったことが実はコンプレックスだった、とも述べています。
何はともあれ、イタリアの大学に入学する資格を得るにはイタリア語の試験をクリアする必要があります。とりあえずイタリアに短期間の語学留学をしてみて、本当にやっていけるのかじっくり考えてみましょうか。
この記事をを読んだとき、この相談者が私の占いセラピーにやってきたら、私はどう答えるかな、と、なんですかとても真剣に考えてしまったのを覚えています。
もちろん、「占い」ですから、持って生まれた性質や運勢といったものを読みます。
例えば、学者、研究者に向いているとか、海外に縁があるなどであれば、そのことを話すでしょう。
運勢の流れとして、留学するなら今年がいいのか、来年がいいのか、今年行くなら云々、といったような助言もするでしょう。
予言的な占いをする占い師なら、あなたは外国に行ったほうが成功するとか、日本にいたほうがいい、というような話をするかもしれません。
それから私の場合はタロットですので、タロットカードをひいてもらいます。
それによって、彼女の心の内側が見えてきます。
「大学受験から逃げたいのかもしれません。」と自分で言っていますので、それとどんぴしゃりのことをカードが言ってくるかもしれませんし、もしかしたら、不安の根拠はもっと別のところにあることに気づかされるかもしれません。
私がとても気になったのは
「イタリアに骨をうずめたい」
という彼女の発信です。
どうして「骨をうずめたい」のでしょうか?
日本が嫌いなのでしょうか?
それほどイタリアが大好きなのでしょうか?
それはなぜなのでしょうか?
すこし、「夢中」になっている、「熱狂」しているのかもしれません。
古代ローマが好きということですが、今のイタリアはローマ帝国ではありません。
「夢中」も「熱狂」も、人を突き動かして好きなことをしていくためには大事な心持ちです。
が、熱しやすく冷めやすい、ということもあります。
もうひとつ気になるのは
「大学受験から逃げたいのかもしれません。」
です。
私はイタリアの現在の大学教育事情は全く知りません。ルネサンス時代には、ヨーロッパのなかでは一番洗練された文化の地であり、大学教育だったと思いますが。
ヤマザキの助言にあるように、古代史研究はどこでもできます。日本の大学でも古代ローマを研究している学者はいるはずです。自分の研究したい内容を研究している教授や准教授を探して、その人の研究室がある大学を受験してみるのはどうでしょう?
留学はいつでもできますし、もし、日本の大学の研究では不満足であれば、あるいは、自らの研究が進んでそのままでは不満足になれば、そのときはきっと迷わずイタリアへ行くでしょう。
イタリアを肌で感じることは大事ですからね。
目標が定まれば、「大学受験から逃げ」てはいられなくなります。
それからイタリアでの「就職」を考えて、できるかどうか不安ということですが、
研究者ではなく、別の就職を考えているのでしょうか?
その辺りに、まだ漠然としている思いが反映されているように感じます。
研究したいのか、
イタリアに住みたいのか、
イタリアでしたい仕事があるのか、
によっても取り組み方は変わってくると思います。
私の知り合いに、
「何かいいことありゃしないかな」
と思ってウィーンに来たら、
運命の男性と知り合って、結婚して、ウィーンに住んでいる、という日本人女性がいます。
彼女とはウィーンで知り合ったので、日本で彼女が「なんかいいことないかなぁ」と思っていたその背景に、どんな出来事があったのかは存じあげておりませんが。
そんなこともありますから、何があるかは分かりません。
でも、あなたの場合は、そうじゃないですよね?
古代ローマ帝国の研究がしたいのですよね?